【書評】覚悟の競馬論

調教師として第一線で活躍している国枝栄氏による、「日本の競馬界の問題、課題に対する提言」が書かれている本です。

 

情報

タイトル
覚悟の競馬論 (講談社現代新書)
Kindle版
(電子書籍)
覚悟の競馬論 (講談社現代新書) Kindle版
著者 国枝 栄
出版社 講談社
発売日 2019/10/16
価格
(Kindle版)
924円(880円)
著者プロフィール 日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニングセンター所属の調教師。

 

概要

■はじめに――変わりゆく競馬界

ドバイターフ前夜の出来事/凱旋門賞断念の背景/「詐欺師、ペテン師、調教師」!? ほか

 

■特別インタビュー クリストフ・ルメール

「国枝調教師とは哲学が一緒」

 

■第1章 調教師が大事にしていること

ヒカルイマイとTTG/山崎厩舎時代に得たもの/イギリス研修/藤沢調教師との関係 ほか

 

■第2章 調教師の戦略

騎乗依頼/藤田菜七子をどう見るか/騎乗指示/競馬新聞をどう読むか/厩舎の管理システム/馬の体調管理/レース選択 ほか

 

■第3章 最強馬のつくりかた

「セレクトセール」/馬のバランス/良血と馬格/牝馬の特徴/三冠牝馬アパパネとアーモンドアイ/調教の要諦/外厩の進化

 

■第4章 海外レースに挑む

遠征の歴史/日本最強馬の挑戦/はるかなる凱旋門賞/輸送事情 ほか

 

■第5章 東西格差をどう解消するか

西高東低/輸送競馬の弊害/東西格差の原因/“栗東留学”の背景/格差が格差をうみだす実態 ほか

 

■第6章 日本競馬への危惧

除外馬問題/中央競馬と地方競馬のひずみ/各種手当の見直しと信賞必罰の徹底/レースの品質保証に必要なこと/厩舎にも働き方改革が必要/ゲートボーイの導入を ほか

 

 

コメント

「海外遠征(凱旋門賞制覇)への挑戦」「東西格差(美浦、栗東の格差)」「除外馬問題」などについて、単に問題を挙げるだけにとどまらず、それぞれに“具体的な提案を示している点”が大変興味深かった。

 

その他、ホースファースト理念にもとづいた馬育成の「考え方」なども語られており、競馬界で長い間、調教師として活躍しただけに深みがある内容であり、また国枝氏の人となりも感じ取れた。

 

基本的な競馬知識が、注釈として丁寧にフォローされているため、競馬ファンはもちろん、競馬初心者も無理なく読める。少なくとも、競馬ファンなら読んでおくべき本だと思った。

 

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タイトル
覚悟の競馬論 (講談社現代新書)
Kindle版
(電子書籍)
覚悟の競馬論 (講談社現代新書) Kindle版